賃貸物件を借りるとき、最も気になるのはやはり家賃でしょう。いくら場所が良くても家賃が高すぎると、家計が苦しくなります。逆に安いからといって辺ぴな場所では、生活が不便です。住みたい土地の賃料相場を知り、自分に合った物件を見つける必要があるのです。
賃料相場はどうやって決まるのでしょう。東京都の渋谷や新宿、銀座など都心部、大阪市の梅田、難波などでは、1カ月の家賃が100万円を大きく上回る超高級物件も珍しくありません。築年数、間取りなど物件の状態、内部の設備、物件のある場所などさまざまな要素が絡み合い、相場が決まります。
要因 | 概要 |
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築年数 | 築年数が経過すると、建物が老朽化するため、新築に近いほど高くなる |
設備 | 水回りや居室の性能が高いほど高くなる。インターネット高速回線、戸建住宅なら太陽光発電の有無も影響する |
広さ | 一般的な広さ、間取りでない場合は下がることが多い |
構造 | 堅固な構造ほど高くなる。耐震性も影響が大きい |
中心部からの距離 | 都市の中心部に近いほど高くなる |
最寄駅からの距離 | 最寄り駅に近いほど高く、バス路線利用は大きく下がる |
利便性 | 駅前の商業施設充実や急行停車など最寄り駅の利便性が高ければ、相場が上がる |
物件が古くなれば老朽化し、内部の設備、部屋の仕様も陳腐化します。新しいものほど高い賃料となるのは当然です。インターネットの時代ですから、高速回線が通っているかも賃料に大きな影響を与えるようになってきました。
都市の中心部に近いほど賃料は高くなります。反対に郊外へ向かうほど安くなりますが、同じ郊外でも駅前の商業施設が充実していたり、特急や急行、快速列車が停車したりする場所は高くなる傾向があります。
最寄駅からの距離も大きな影響を与えます。駅に近いほど賃料が上がり、徒歩圏内の物件に比べ、バスを利用しなければならない物件は賃料が大きく下がります。
取引時期によっても賃料が変化します。新年度の転勤や進学を控えた1〜3月は入居希望者が多くなります。このため、一般に相場が高くなる傾向があるようです。逆に入居希望者の少ない時期は相場が下がります。
都道府県によっても相場は大きく変わります。全国賃貸管理ビジネス協会のまとめによると、2017年1月の賃料相場(契約ベース)は、東京都をトップに首都圏と京阪神が高くなっています。
都府県 | 相場額(円) |
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東京都 | 67,565 円 |
神奈川県 | 56,314 円 |
埼玉県 | 50,237 円 |
千葉県 | 50,461 円 |
京都府 | 50,072 円 |
大阪府 | 53,185 円 |
兵庫県 | 48,221 円 |
出典:全管協共済会「少額短期保険契約実績」2017年1月調査分
東京都を100として計算すると、北海道、東北、中国、四国など地方は60%台。政令指定都市を抱える愛知県や福岡県、移住先として人気の沖縄県などが70%台。80%を上回るのは神奈川県、埼玉県、大阪府の3府県に限られます。大都市圏と地方では大きな差があるわけです。
不動産会社を訪ねれば、オーナーが希望する賃料込みで物件情報が示されます。そこから交渉に入るわけですが、物件の相場を知っていれば吹っ掛けられたときにきちんと反論することができます。
賃貸物件の相場情報はインターネット上に多数、公開されています。土地価格なら国土交通省や都道府県の情報があります。不動産会社を訪れる前に、これらの情報に目を通しておけば、高過ぎる物件を借りることにならないで済むでしょう。