賃貸住宅に入居すると、オーナーや不動産会社から現況確認書を渡されることがあります。賃貸住宅を出るときに原状回復するため、入居当時の状態を記録しておくものです。後々のトラブルを避けるため、しっかりと記録に残しておく必要があります。
賃貸住宅を出る際、オーナーや不動産会社が家の中の傷や壁紙の汚れをチェックし、修繕するかどうか決めます。修繕となるとその費用が入居前に納めた敷金から差し引かれます。足りない場合は不足分の請求が来ます。
ときには全室の壁紙を張り替えるなどとして、とんでもない額の請求をしてくる不動産会社もあります。そんなとき、その傷や汚れが入居したときにあったかどうかが分からなければ、トラブルに発展してしまいます。そうしたトラブルを防止する目的で記入するのが現況確認書なのです。
退去時と異なり、入居時の現況確認に、オーナーや不動産会社が立ち会うことはそれほど多くありません。現況確認書が渡され、入居者自身が記入するケースが大半です。しっかりと自分の目で点検しておかないといけません。
引っ越し業者による傷などは原状回復費用を業者に請求することになります。家財道具が入ると見えなくなる場所は、引っ越し前に確認し、記録に残しておきましょう。
現況確認のチェックポイントはたくさんあります。まず、チェックするのは設備の状態です。壁やフローリングなどに傷があればチェックするのは当然ですが、
などをよく見ておく必要があります。
場所 | 確認内容 |
---|---|
全室共通 | 床に傷や汚れはないか |
網戸が破れておらず、問題なく動くか | |
エアコンに異臭がしないか | |
収納の内側に汚れやカビはないか | |
玄関 | 鍵がきちんとかかるか |
チャイムが作動するか | |
浴室 | 浴槽にひび割れはないか |
シャワーがきちんと出るか | |
キッチン | 換気扇に汚れがないか |
流し台にへこみや錆はないか | |
コンロが問題なく作動するか |
隠れた場所にも目を向けるべきです。例えば、クローゼットの裏側やキッチンの収納棚、洗濯機置き場のスペースなどです。記入は「リビングの壁紙に目立つ汚れ」、「ダイニングの天井にヤニ汚れ」などとざっくりした書き方で構いません。書面で説明しにくいときはスマートフォンで写真を撮影しておきましょう。
現況確認書には期限が記されています。期限までに提出しなければ、何も問題がなかったと判断されてしまいます。仮に入居前からあった傷でも入居中についたことになりますから、提出を忘れてはいけません。
提出の前には念のためコピーを取って記録を手元に残しておきます。退去時に現状確認する際、自分がつけた傷でないことを証明するためです。これも退出時のトラブル予防策になります。