公開日:2017.03.01   更新日:2017.03.01

空き室を出さないためにリノベーションが必要な理由
空き室を出さないためにリノベーションが必要な理由

空き室を出さないためにリノベーションが必要な理由

古くなってきた賃貸物件は、賃料を下げないとなかなか入居者が見つかりません。特に近所に新築の賃貸マンションやアパートができるとなおさら。そんなときに考えたいのが、リノベーションです。うまく進めれば賃料を下げずに入居者を確保できます。

中古物件再生に効果的なリノベーション

借り手はよく似た賃料、立地なら、きれいな部屋に住みたいと考えるものです。人口減少や少子化の影響で物件の供給過剰になっている地域が全国で増えています。その結果、賃貸物件の入居者獲得競争が激しさを増していますから、老朽化した中古物件は何らかの対応をしなければならないのです。

そこで、考えられるのがリノベーションです。内部に手を入れ、他の物件と差別化を図ることで魅力的な部屋に再生しようというわけです。リノベーションすれば、工夫次第でいくらでもおしゃれな部屋に生まれ変わることができます。

フルリノベーションなら平米単価が10~15万円

リノベーションの進め方にはいろいろあります。フローリングやクロスを張り替えただけなのに、リノベーション物件として入居者を募集する不動産会社がある一方、部屋をスケルトン状態といって壁や柱、骨組みだけに戻し、キッチンや浴室などすべてを取り替えることもあります。これをフルリノベーションと呼んでいます。

アパートの1室でフルリノベーションをすれば、1平方メートル当たり10~15万円はかかります。壁や床だけを変えるリフォームだと、1平方メートル当たり2~3万円から請け負ってくれます。工事期間はフルリノベーションで2、3カ月でしょう。

入居者のニーズ把握と費用対効果の見極めが肝心

リノベーションする場合、考えないといけないのは、入居者のニーズを見極めることです。近所に賃料6万円の新築物件があるからといって、同じような内装に変えたところで入居者があるとは限りません。不動産会社やリフォーム業者と情報交換し、しっかりとニーズを把握するのが第1です。

費用対効果も考える必要があるでしょう。一般には賃料2年分ぐらいをめどに工事費を算出するオーナーが多いようです。賃料10万円なら240万円ぐらいになります。

リノベーションを機に賃料を上げたいと思っているのなら、もっと豪華にする必要が出てきますが、近隣の賃料も把握し、入居者が集まりそうな範囲に賃料を設定、そこから逆算しておおむねの工事費をはじき出すと良いでしょう。

高速インターネット回線やケーブルテレビなど入居者を集めやすくなる設備も検討しておくべきです。リノベーションに十分な費用をかけられないときは、備え付け家具に工夫するなどしましょう。

ライタープロフィール
高田 泰 ライタープロフィール

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動。