公開日:2017.03.01   更新日:2017.03.01

活用したい不動産会社との便利な委託契約
活用したい不動産会社との便利な委託契約

活用したい不動産会社との便利な委託契約

賃貸物件の管理を自分でするオーナーもいますが、大半は不動産会社に委託しています。不動産会社との管理委託契約の中には、オーナーにとって便利な契約もあります。うまく活用して賃貸物件から確実に収入が入るようにしましょう。

オーナー側最大の不安は空き室対策

賃貸物件のオーナーになって最も困るのは、入居者が見つからず、長期間にわたって空き室や空き家が続くことです。空き室、空き家になると、賃料収入が入ってきません。これだけは避けたいとだれもが思うところです。

しかし、郊外や地方都市にある物件だと、なかなか入居者が見つからないこともあります。特に老朽化した物件は相当、賃料を下げないと、入居者を確保することができません。過当競争や人口減少の影響が出ているからです。

空室保証契約だと、入居がないときも賃料収入

空き室や空き家を避けるため、不動産会社と交わす契約があります。その代表が空室保証契約で、物件を不動産会社に貸し、不動産会社が又貸しするサブリース契約が該当します。たとえ空き室や空き家になっても、その間の賃料を不動産会社が保証してくれますから、オーナー側からすると収入の途絶える心配がありません。

オーナーが不動産会社と交わす主な管理委託契約
契約内容
空室保証空室になってもその分の賃料を不動産会社が保証する
滞納保証入居者の賃料滞納分を不動産会社が保証する
集金代行賃料の入金確認から滞納時の督促を不動産会社が代行する

ただし、入居者がつきにくい物件だと判断されれば、不動産会社は契約してくれません。保証額も正規の賃料の85%程度とするところが多いようです。契約に必要な手数料も賃料の10〜20%を見ておかねばなりません。

賃料の見直しはおおむね2年おきに行われます。期間が経てば物件は老朽化していきます。その結果、徐々に賃料が下がっていくことになります。保証契約といっても、当初契約通りの賃料が保証されるわけではないのです。

しかも、解約にも4カ月分の賃料といった厳しい条件を課せられることが少なくありません。空き室の家賃を保証しても、不動産会社にとって十分な見返りがある契約となっているケースがほとんど。便利だからといって、飛びついたらオーナー側が痛い目に合うこともあるわけです。

滞納保証契約や入金代行契約も

滞納保証制度というものもあります。主に不動産管理会社が集金代行業務のオプションとして設定しているもので、滞納があった場合、不動産管理会社が立て替え払いしてくれます。ただしあくまで滞納家賃を一時立て替えるだけで、空き室時の家賃を保証してくれるものではありません。

入金代行契約もあります。空き室の保証や滞納の保証はしないが、不動産会社が賃料の管理をする契約です。この契約を使うケースはしばしば見られます。オーナー側は手間を省けますが、空き室になる不安は解消されません。

ライタープロフィール
高田 泰 ライタープロフィール

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動。