公開日:2017.03.01更新日:2017.03.01

マンション、アパート経営は現役中に始めるべき。定年退職後ではローン負担が重過ぎる
マンション、アパート経営は現役中に始めるべき。定年退職後ではローン負担が重過ぎる

定年退職後のマンション、アパート経営開始は遅すぎる

会社や役所を定年退職後にマンションやアパート経営を始めた人の話をよく聞きます。退職金を有効活用して老後の資産形成を図るわけですが、実のところタイミングとしてはあまりよくありません。どうしてでしょうか。

利益を出すにはそれなりの投資が必要

マンション、アパート経営といっても、自室や自宅を改装して貸し出すケースと、新たに建築するケースがあります。定年退職後なら退職金やこれまでの貯金を基に改装や新築を進めることが多いでしょう。新築だと不足分をローンでまかなうことも考えられます。

当然、貸し出す物件とは別に住まいを構え、生活していかなければなりません。よほどの資産家は別にして、基本的に賃料収入で生活費や場合によってはローンの返済をしなければいけなくなるのです。

人口減少と高齢化社会が進行する中、それなりの収入を生む物件となると、立地の良い場所か、ある程度のグレードを兼ね備えている必要があります。安い投資では難しいのが実情です。

特に地方は人口減少で物件が過剰になっています。大都市圏でも郊外は同様の状況になりつつあります。適当に選んだ場所でも成功する可能性が大きい時代ではもはやなくなりました。

ベストなタイミングは現役の時代

となると、退職金で一定の資金を調達することができても、それだけではどうしても不足しがちです。十分な利益を見込める物件となると、ローンを組まざるを得ないでしょう。

生活費と物件運営に必要な経費、ローンの返済を同時に進めるとなると、生活への影響は大きくなります。だから、定年退職後に退職金を当てにしてスタートするのは遅いわけです。経営に失敗したときも、挽回するのが難しくなります。

ベストなタイミングは現役時代にマンション、アパートの経営を始め、退職金が出た段階でローンを完済できるようにすることです。定年退職後は生活費と必要経費だけを賃料収入から確保できるようにするのです。

その場合、物件への初期投資もローンを含めて考えるときより、少なくて済みそうです。ローン込みで収支計画を立てるときほど立地の良い場所を確保しなくて良いからです。

地域の将来予測を把握することも大切

ただ、マンションやアパート経営を甘く見てはいけません。自分が持っている物件や購入を考えている物件がどれだけの価値を持ち、将来はどうなるのかを冷静に判断しなければいけないでしょう。

自治体や地域の将来人口予測を公的機関がどう推計しているのかも、しっかりと把握しておく必要があります。マンションやアパート経営は10年、20年という長期を視野に入れて考えるべきものです。将来予測が十分にできて初めて、成功が可能になるものなのです。

高田 泰 ライタープロフィール

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動。