公開日:2017.03.01更新日:2017.03.01

オーナーが海外勤務になったときは、サブリース方式の検討が効果的
オーナーが海外勤務になったときは、サブリース方式の検討が効果的

オーナーが海外転勤になった際の注意点

転勤でしばらく地元を離れることになり、住まいを賃貸に出す人もいるでしょう。最近は経済のグローバル化により、中小企業でも海外勤務になる人が増えてきました。海外にいて日本国内の住まいを遊ばせておくのももったいないもの。賃貸に出すのが資産運用として効果的ですが、海外に暮らしていると国内で賃貸収入があったとき、気をつけなければいけないことがあるのです。

国内に納税管理人を置くことが必要

日本に居住していない人は法律用語で「非居住者」とされています。非居住者に国内の物件で賃貸収入があるときは、国内に納税管理人を置かなければなりません。納税管理人が留守宅での賃料収入の申告や税金の支払いを代行するわけです。

届けはオーナーが出国する前に税務署へ出すことになっています。出国前に届けを出しておかないと、場合によっては無申告や期限後申告によるペナルティを受け、延滞税を課せられることもあります。

納税管理人は賃貸物件所在地の税務署管内に居住する人が望ましいとされていますが、一般には親族や税理士に依頼するケースがほとんどです。納税管理人は法人でも構いませんから、信頼できる会社に依頼する手もあります。海外から帰国すれば、納税管理人の解任届を出さないといけません。

非居住者の貸付物件は入居者に所得税の源泉徴収義務

非居住者が賃貸物件を貸し付けた場合、入居者が個人で自分や親族の居住用に借りるケースを除き、入居者に賃料の20%の所得税を源泉徴収する義務が生じます。このケースに該当するのは、法人が社宅用に借り上げたときなどです。

仮に賃料が10万円だったとします。復興特別税所得税を考慮に入れずに簡単に計算すると、入居者は10万円のうち、8万円を非居住者のオーナーに支払いますが、残り2万円を納税しなければならないのです。源泉所得税の納付書を税務署でもらい、振り込みを毎月することが義務づけられるわけです。

非常に手間がかかってしまいますから、社宅用の物件を探す法人の中には、非居住者が持つ物件を避ける傾向があります。海外勤務のオーナーにとっては借り手を探すうえでのハンディになりかねません。

検討したい賃貸管理会社へのサブリース方式

このトラブルを避ける方法として考えられるのが、いったん賃貸管理会社に貸しつけ、そこが又貸しする方法です。業界でサブリースと呼ばれるやり方になります。

非居住者との契約相手は賃貸管理会社です。このため、煩雑な納税義務も賃貸管理会社が負ってくれます。入居者に20%の源泉徴収義務が発生しません。入居者募集がしやすくなりますから、賃貸管理会社に相談してみることをお勧めします。

高田 泰 ライタープロフィール

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動。