公開日:2017.03.01更新日:2017.03.01

不動産を売却するときには、いろいろな出費があります。
不動産を売却するときには、いろいろな出費があります。

事前に知っておきたい売却時の費用

不動産を売却するときには、いろいろな出費があります。売却に必要な諸費用と税金で、こまごまとした出費が重なるものです。どんな出費があるのか、事前に頭に入れておきましょう。

売却時に必要となる主な出費
出費内容
不動産仲介手数料仲介した不動作会社に払う手数料
印紙税売買契約書に貼る印紙代
測量費土地を実測するときの費用
建物解体費古い家を解体する費用
譲渡税売却で利益が出ると所得税と住民税が必要
抵当権抹消費抵当権抹消登記には登録免許税が必要

売却の際、さまざまな出費が必要に

土地の売却では境界線を明らかにしなければなりません。登記簿や公図で確認するだけでなく、現地での確認も必要です。土地の境界を示す目印がないときは、あらためて実測して隣接地の所有者と確認書を交わす必要が出てきます。

物件に雨漏りや設備の故障がある場合、それを瑕疵として明確にしておかないといけません。売り主側としては、売却前に修復するか、瑕疵があることを買い手に明示して修復費用相当額を販売価格から割り引くかなどの対応が考えられます。

このほか、土地上の建物が売却に耐えられないほど古いなら、取り壊す必要があります。住宅ローンが残り、抵当権が設定されているときは、抹消登記が求められます。ローンの残金も一括繰り上げ返済が必要です。

これらのことを完了させるには、それぞれ手数料や実費が必要になります。他に仲介した不動産会社への仲介手数料、売買契約書に貼る印紙代なども支払わなければなりません。意外にたくさんの出費があるのです。

譲渡所得にかかる所得税と住民税

不動産を売却して利益が出たら、その利益に譲渡所得として所得税や住民税が課せられます。譲渡所得は譲渡価格から売却した不動産の取得費用と売却費用の合計を差し引いた額になります。譲渡所得にかかる税金は給与所得や事業所得と分離して計算しますから、分離課税といわれています。

売却した物件がマイホームなら、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受けられます。譲渡所得から特別控除を引いた額が課税対象となるのです。

取得費が不明なときは、売却価格の5%とすることができます。相続や贈与で取得した物件の場合は、相続、贈与時の評価額ではなく、前の所有者の取得額を引き継ぎます。

所得税、住民税率は所有期間で差

所得税と住民税の税率はその物件の所有期間によって異なります。5年以下が短期譲渡所得、5年を超すときが長期譲渡所得になります。短期譲渡所得は所得税30%、住民税9%、長期譲渡所得は所得税15%、住民税5%で、これに加えて復興特別所得税2.1%が2037年まで課せられます。

しかし、不動産の売却には、マイホーム買い換えの際の特例や所有期間10年超の物件の軽減税率の特例などさまざまな特例措置や軽減策があります。個々の事例は税理士や税務署に相談してみましょう。

高田 泰 ライタープロフィール

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動。